子どもの「やってみたい」を育てる親の関わり方|主体性を伸ばす5つのヒント

子どもの「やってみたい」を育てる親の関わり方

「もっと自分から挑戦できる子になってほしい」

そう思うほど、親はつい「やってみたら?」「こっちの方がいいよ」と背中を押したくなります。

でも、子どもの「やってみたい」は、大人が外から作るものというより、子ども自身の興味から動き出す瞬間をどう支えるかが大切だと私は考えています。

目次

結論|「やってみたい」を育てるなら、先回りしすぎない

文部科学省の幼稚園教育要領では、幼児が「自分で考え、自分で行動する」ことや、遊びの中で物事を考えたり試したりすることが重視されています。

また、幼児教育は教師が一方的に活動させるのではなく、子どもが主体性を発揮できるよう環境を整えることが大切だとされています。

親が全部決めるのでも、何もしないのでもない。
子どもが「やってみたい」と思える余白をつくり、必要なときだけ支える。この距離感を大切にしたいと思います。

子どもの「やってみたい」は、立派な挑戦だけではない

「挑戦」というと、新しい習い事や難しい課題を想像しがちです。

でも幼児期なら、「自分で靴を履きたい」「水を注ぎたい」「この虫を触ってみたい」「もう一回積み木をやりたい」も十分な「やってみたい」です。

大人から見ると小さなことでも、子どもにとっては、自分で考え、試し、うまくいかなければやり方を変える経験になります。

親ができる5つの関わり

1.知る|まず「何に興味を持っているか」を見る

最初にしたいのは、何かをやらせることではありません。

子どもが何を見ているか、何を何度も触るか、どんなときに質問するか。そこに「やってみたい」の種があります。

2.待つ|すぐ答えや手を出さない

時間がかかっていると、親はつい手伝いたくなります。

でも、危険がなく本人が続けようとしているなら、少し待ってみる。考えている時間や試行錯誤している時間も、子どもの活動の一部です。

これは「絶対に教えない」という意味ではありません。困り切っているならヒントを出していい。大切なのは、子どもが考える余地まで先回りして奪わないことです。

子どもの「考える力」を伸ばす親の関わり7選でも、答えを隠すことより「考える時間をつくる」ことを詳しく紹介しています。

3.認める|結果より「自分で動いたこと」を見る

できたときだけ「すごい!」と褒めるのではなく、

  • 「自分でやってみたんだね」
  • 「さっきと違うやり方を試したね」
  • 「難しかったけど、もう一回やったね」

のように、その子が実際にしたことを言葉にする。

私はこれを「褒める」よりも「認める」に近い関わりだと考えています。

子どもを伸ばす褒め方・認め方7選もあわせて読んでみてください。

4.続ける|一度でできなくても、また触れられるようにする

一度やってうまくいかなかったからといって、「まだ早かった」とすぐ終わらせなくてもいいと思います。

本人が嫌がっていないなら、道具を残しておく、別の日にもう一度触れられるようにする。挑戦できる機会を残しておくことも、親にできる支援です。

5.広げる|興味が続いたら、次の世界をそっと置く

虫に夢中なら図鑑を置く。料理をしたがるなら、混ぜるだけ任せてみる。文字を気にし始めたら、自分の名前を見せてみる。

親が進む方向を決めるのではなく、今ある興味の少し先に選択肢を置くイメージです。

子どもに文字を教えるのはいつから?でも、年齢より興味を入口にする考え方を紹介しています。

「見守る」と「放っておく」は違う

主体性を大切にするというと、「何でも好きにさせればいい」と聞こえるかもしれません。

そうではありません。

危険を避ける、必要な道具を用意する、難しすぎるときは少し助ける。大人が環境を整えることは必要です。

文部科学省も、幼児の主体性と教師の意図がバランスよく関わること、活動が生まれやすい環境を大人が構成することを示しています。

主役は子ども。でも、舞台を整えるのは大人。
このくらいの距離感が、家庭でも分かりやすいと思います。

失敗しそうなとき、どこまで手伝う?

私はまず、次の3つで考えます。

  1. 危険はないか
  2. 本人はまだ続けたそうか
  3. 少しのヒントで進めそうか

安全で、本人がまだやりたそうなら、すぐ助けずに少し待つ。

反対に、難しすぎて気持ちが完全に切れているなら、課題を簡単にしたり一緒にやったりしていい。

「自力で最後までやらせること」が目的ではありません。またやってみようと思える経験を残すことの方を大切にしたいと思います。

親が避けたい3つの先回り

「こっちの方がいい」と正解を決める

親には先が見えるからこそ、効率のいい方法を教えたくなります。でも、子どもが別の方法を試しているなら、その寄り道に意味があることもあります。

失敗しないように先に助ける

安全に問題がない小さな失敗なら、「やってみたら違った」という経験も残していいと思います。

親が望む「やってみたい」を作る

「英語をやってみたいと言ってほしい」「本を好きになってほしい」。親の願いが強すぎると、子どもの興味より大人の期待が前に出ます。

まずは、今その子が夢中になっているものから始める。それで十分です。

「やってみたい」は、安心できる場所で育つ

挑戦できる子というと、失敗を怖がらない子を想像するかもしれません。

でも私は、「失敗しても自分の価値まで下がるわけではない」と感じられることも大切だと思います。

自己肯定感についての記事でも書いたように、「何でもできる自分」である必要はありません。

できなくても大丈夫。困ったら助けてもらえる。その安心があるから、もう一度やってみようと思えることがあります。

まとめ|親が育てるのは「挑戦」ではなく、挑戦できる余白

子どもの「やってみたい」を育てようとすると、何か特別な体験を用意したくなります。

でも、家庭でできることはもっと小さくていい。

  • 興味を知る
  • 自分で動くまで待つ
  • 結果だけでなく過程を認める
  • また試せる機会を続ける
  • 興味の少し先へ世界を広げる

大人が「やらせる」のではなく、子ども自身が一歩を出せる環境をつくる。

私は、その積み重ねが「自分で考えて、自分で動いてみる」力につながっていくと考えています。

伸びる子の家庭に共通していた5つのことでは、学びが続く家庭で大切にしたい関わりをさらに広くまとめています。

参考資料

  • 文部科学省「幼稚園教育要領 第2章 ねらい及び内容」
  • 文部科学省「今後の幼児教育の教育課程、指導、評価等の在り方に関する有識者検討会(第1回)議事録」
  • 厚生労働省「保育所保育指針」

アイキャッチ写真:Unsplash / Vitaly Gariev

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